牛タンとしみちゃんとカープと

教えることや学ぶことについての自分の考えを言葉にします

25回表【読書5】『ピジョンの誘惑』根上生也著

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『計算しない数学』を書いている根上生也さんの本。この本は『計算しない数学』の本に深く関係している。『鳩の巣原理』という考え方を使って、『言葉で考えることに』焦点をあてた本。ちなみに、『鳩の巣原理』とは、「鳩が10羽いるのに、鳩の巣が9個しかないと、同じ巣に入る2羽の鳩がいる」という当たり前のことを言う。この『鳩の巣原理』の考え方で、様々な事柄を証明している。古くは『ディリクレの部屋割り論法』や、『引き出し論法』と呼ばれていたらしい。

 

この本にはたくさんの事柄が書いてあり、そんなこと当たり前じゃないか、というレベルから、見方を変えて工夫をしないと理解できないレベルまである。
本にはまず、ある事柄が書いてあり、その理由が裏のページに書いてある。
「〇〇だったら△△だよね」という事柄が書いてあり、裏のページに「だって◽︎◽︎だもん」という感じで書いてある。

 

例えば、「サイコロを7回投げると、同じ目が2回出る」という事柄。そして裏のページに「サイコロの目は1から6までの6通りです。なので、7回の目がすべて異なるわけがありません。」という感じ。
もう1つ例を挙げると、
「暗闇に左右の区別のない赤い靴下と青い靴下とが山積みになっている。目をつぶってその中から3つを取ると、まともな一足を手にすることができる。」という事例。そして裏には「色には赤と青の2色なので、3つの靴下の中には同じ色のものがある。その靴下は左右の区別がないので、その同じ色の靴下はまともな一足としてはくことができる。」とある。
この辺は入門なので、分かりやすいけど、ページをめくるとさらに難しくなる。

 

「黒頂点と白頂点の異なる二部グラフは、ハミルトン・サイクルを持たない」という事柄もあった。そして裏には説明が書いてある、なんだか難しい気もするけど、この本には、難しい数式ではなく、言葉で説明してくれてるので、読めばいけそうな感じはする。
しっかり自分の中のイメージを図にしけば、見えてくるんだろう。


絵で捉えて、言葉で考えていく練習をすることって大切だなと思える一冊。