牛タンとしみちゃんとカープと

教えることや学ぶことについての自分の考えを言葉にします

6回裏の裏『教科のわくをはずす』(なぜはずす?)

前回の続き

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■ 『学びのカリキュラムマネジメント』に出会う。

■実は自分は教科をつなげることに関心を持っていた。

 

 

 

なぜ、教科をつなげることに関心を持っていたのかというと、以下の3冊の本との出会いと、自分の体験が大きく影響している。

 

①『いい学校の選び方』吉田新一郎著

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この本の中に、ある子どもが「いい授業」について書いた文章がある。蝶々を通して学んだ経験である。蝶々の歌を歌ったり、(音楽)蝶々についての本を読み聞かせをしてもらったり、(国語)蝶々の目や触覚について学んだり、(理科)羽の大きさを測ったり、(面積)食物連鎖について調べたり、(理科)自分を蝶々に置き換えて、自叙伝を書いたり(国語)3週間をかけて、蝶々づくしの授業をしてくれた。とある。蝶々を通して様々なことを学ぶ、まさに教科が繋がっている授業だった。自分はこの授業に強く惹かれた。また、この本の中の『学びの原則』と、『マルチプルインテリジェンス』にも強く惹かれた。


②『はじめに子どもありき』平野朝久著

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この本は、子どもの力を信じ、子どもの興味関心から学びを展開していく教師の心構えについて書かれている本で、自分の子どもに対する考え方を考え直すきっかけになった本である。この本の著者の平野朝久さんのことを調べていると、長野県の伊那小学校という学校が出てきた。伊那小学校では、大変興味深い実践をしていた。クラスごとにやることは違うのだが、あるクラスでは、1年間をかけて牛を育て、牛を通して国語や算数、理科や社会などを学ぶという。またあるクラスでは、自分たちで建物を建てることを通して学んでいた。この実践にも非常に惹かれた。(実際に見たわけではないので、違うところもあるかもしれない)


③『オランダの個別教育はなぜ成功したのか』リヒテルズ直子著

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この本は、今の自分のベースになっている『イエナプラン教育』について書かれている本である。その中でも『ワールドオリエンテーション』という、子どもが一つのテーマから疑問を出し、それを探求していく実践があった。このワールドオリエンテーションも、テーマを探求することを通して、算数を学んだり、理科を学んだりする。ちなみにこの本にも『マルチプルインテリジェンス』が出てくる。

 

これらの3つに共通するのは、あるテーマを通して、様々な教科を学習者にとって自然な形で学ぶことであった。また、学びのペースや学び方は様々であることも共通していた。自分はこれらの実践に強く惹かれ、公立学校でもなんとか教科の枠をはずすことはできないか、教科をつなぐことはできないか、それぞれのペースで学ぶことはできないか、常に関心を持っていた。しかし、具体的な実践には至っていなかった。ちなみに、自分がなぜそこに強く惹かれるのかというと、自分自身が、学生時代に学びからこぼれ落ちた1人だからである。(この話は詳しくはまたの機会にする)

 

そして、『つながる学び』に関心のあった自分が、ある日出会ったのが、『学びのカリキュラム・マネジメント』である。
『学びのカリキュラム・マネジメント』は、ぶつ切りに教えている教科ごとの学習をつなげることで、子どもにとって学びやすいものに変えることができる実践だと自分は捉えた。学びやすいものになるということは、学びからこぼれ落ちる子を救える可能性を持っているのでと思うし、学ぶことの楽しさ(探求する学び)を教えることができる実践や、思考力(数学的思考)を高める実践ともつながっていくのではないかと思ったのだ。

 

自分は、これらの実践を通してチャレンジする人を育てたいと思っている。

 

具体的な取り組みは次へつづく